僕は時々、WEBで看護に関する学習記事(出典のきちんとしているもの)や医学的な論文を読むようにしているのですが、先日たまたまMMT(徒手筋力測定)の記事を読んだときに、ふと病棟時代のことと今の施設でのことを考える機会がありました。
それは、「皆が客観的に評価できる記録を書く必要性」についてです。
なぜ客観的に評価できる記録が必要か
主に医療の分野では、対象者の状態に関して、「誰もが見て分かる」客観性のある記録を記載することが求められます。
例えば、
「両手の筋力、握力あり」
これでは、筋力とはどこの筋肉に対するどの動きの評価なのか分かりません。
また、「握力あり」と書いているだけでは、強さが分かりません。
極端に言えば、不全麻痺があって、握力が3kgしかなくても「握力あり」なのです。
そんな意地悪なこと言わなくても…?
と思うかもしれませんが、この客観性のない記載方法をしていると、観察者が変わったときに正確な評価を記録に残せません。
そうなると、対象者の正確な経過を追うことが出来なくなり、その時観察した結果が、良くなっているのか悪くなっているのか判断が出来なくなってしまいますよね。
例えば客観的に記載するならば、
「腹臥位にて膝関節の屈曲、MMT 右5,左3」
といった書き方がbetterです。
このように客観的な記載をする事で、誰が見ても正しく経過を追える、質の高い記録になっていくのです。
これを介護記録に反映させていけるのか
さて、このような記載方法を、介護記録にも反映させていくことはできるのでしょうか。
よくありがちな介護記録が、
「やや軟便少量あり」
これではイメージしにくいですよね。
「硬便、母指頭大のみあり」
さっきよりはちょっとイメージしやすくなったのではないでしょうか?^ ^
やはり、量・性状について、少しでも具体的な指標を用いて書く。
これが基本中の基本であることが分かります。
しかし現実、医学的なスケールの知識も少なく、またそのような観察が少ない介護の分野にとっては、もっと簡潔で皆が記録しやすい方法を取らなければなりません。
例えば、うちの施設では、
(例)排便の記録について
・よく使う一般的な言葉でのスケール(鶏卵1個大、バナナ1本分、母指頭大など)
※以前ある職員で「排便 あんころ餅2個分」という面白い書き方をした職員がいましたがwww なるべく統一しましょう。笑
・性状の目安(水様便〜泥状便〜軟便〜普通便〜硬便)
これらについて、ミーティングや研修の時間を用いて、実際に大きさを示したり性状は〇〇って書いたらこれぐらい!というように、皆で話して共有をしてみました!
するとそれからは記録を見た際に、「あ、こんな感じなんだな」とイメージがしやすくなり、スタッフ間での情報共有がしやすくなったのです^^
もし「スケールは覚えてない人もいるし浸透しないし…どうやって書こう…」など、悩んでいる人がいらっしゃれば、チーム内で是非1度皆で話し合ってスケールを共有してみませんか!?^^
以上、ふと思いついたことを書き綴ってみました^^