ステロイド外用薬を使いこなそう♪

看護

 

 

皆様こんにちは^^

さて、前回ステロイドについて作用機序や作用・副作用などについてご紹介しました。

前回記事はこちら↓

ステロイドの基本 〜機序や特徴を知ろう〜

2020-05-04

 

今回からは、ステロイドの中でも外用剤(軟膏、クリーム、ローション、ゾルなど)について学習していきたいと思います。

 

 

ステロイドには強さの分類がある

ステロイド外用剤には、作用の強さの分類があります。

 

最も強力なものから順に

Strongest(最も強力) デルモベートなど

Very strong(かなり強力) フルメタ、アンテベート、マイザーなど

Strong(強力) ボアラ、リンデロンV、フルコートなど

Mild(中程度) ロコイド、アルメタ

Weak(弱い) プレドニゾロン、オイラックスHなど(単剤では無い)

 

と分類されています。

 

炎症部位の重症度、塗る部位、年齢などによって、ステロイド外用薬の強さを使い分けます。

ちなみに代表的な薬剤と分類が分かりやすく紹介されているものがありましたよ〜♪


https://www.oki-hifuka.jp/original29.html, 大木皮膚科 ステロイド外用剤の副作用より

 

基本的に成人ではVery strongやStrongクラスが処方されていることが多いです^^
しかし、皮膚状態や部位によって吸収率が変わってくるため、使い分けや塗る量の工夫が求められます。

 

部位や皮膚状態によって吸収率が違うので注意

外用剤は体の部位や皮膚状態によって吸収率が変わってきます。

 


https://www.maruho.co.jp/kanja/atopic/external/, maruhoホームページ 外用薬の上手な使い方より

血流の良い、皮膚の薄い、顔面や陰部などでは吸収率が高く、逆に足底や手のひらなど皮膚の厚いところは吸収率が低いと言われています。

また一般的に皮膚損傷や乾燥など、お肌の状態が悪い時には吸収率が高くなりますので、塗り過ぎにも注意してあげましょう^^

その他にも、、、

・皮膚状態が悪い(損傷や乾燥)
・入浴後など皮膚の温度が高い時
・皮膚バリア機能がまだ不十分な乳幼児
・少し汗をかいている時
・擦り込むなど、塗り方が強い

 

これらの要因が外用剤の吸収率に関わってきますので、これを知った上で日々の看護で外用剤を使いこなせたら最強ですね!!^^

また、軟膏・クリーム・ローションにもそれぞれ長所短所がありますよ!

軟膏→皮膚保護作用があり刺激も少ないが、ベタつき感あり。乾燥・ジュクジュク両方OK♪
クリーム→浸透性高く塗りやすいが、刺激性も強い。乾燥している皮膚に良い♪
ローション→頭髪部に良い、流しやすい(逆にいうと流れやすい)。乾燥している皮膚に良い♪

塗る量は??コツは???

これって、あまり看護学生の時や入職してからも学習するチャンスって少なくないですか?
(僕はあまり教えてもらえる機会がなかったです汗 勉強不足かな??)

ステロイド外用剤にも、きちんとした塗り方や適量というものがあります。

ステロイドの適量は?

ステロイドには適量があり、
1FTU(フィンガーチップユニット)という単位を用います。


https://www.maruho.co.jp/kanja/atopic/external/, maruhoホームページ 外用薬の上手な使い方より

軟膏やクリームの場合は、人差し指の指先から第1関節まで出した分、ローションの場合は1円玉台の大きさを出した分、を各部位の吸収率に合わせておおよそ手のひら2枚分の面積を塗れば良いのです^^

 

いやあ〜これは初めて勉強した時、すごく学びになりました!!

色んなことが気になる僕は、看護師になってすぐ軟膏を塗る場面で、

こいちゃん
いや、これってどれぐらい塗るのが正解なん?

と感じていたからです^^

 

塗り方のコツは??

①強くすり込まず、優しく丁寧に塗り広げる

②医師の指示通りに使用する

毎日規則正しく使い、自己判断で塗る量や薬を変えないことが大事です。

③保湿剤と一緒に使用するのも有効!

外用剤と保湿剤の同時使用、OKです^^


https://pharma-navi.bayer.jp/nexavar/patient/common/qa_hfs04/22.php, バイエル薬品株式会社 ネクサバール 手足症候群がよくわかるQ&A 第4章 手足症候群がでたらどうするか? より

図のように、ステロイドは患部を中心に部分的、保湿剤は全体的に塗り広げるのがコツです♪

ステロイドを正しく使おう!

ステロイドはアトピー性皮膚炎、虫刺され、湿疹系には非常に効果を発揮しますが、その分副作用もあるので、看護師・介護士の皆が使い方を正しく知ることがとっても大切です^^

よく訪問看護や施設で処方されている場面を見ても、

こいちゃん
え、、処方量少な!!!

とかいうことが頻繁に起きていますので(^^;;

みんなで正しく使って、ベストプラクティス目指しましょうー!^^